嫁です。人も少なく、ゆったりと自分時間で作品鑑賞のできる美術館です。名古屋観光に加えてみては?でもロココってなんだっけ?
シャルダン、ブーシェ、フラゴナールなど、ヨーロッパの美術館ではよく見かける作品ですが、日本では目にする機会はあまりありません。ロココ美術の美しさだけでなく、あたかもタイムスリップしたかのような気分を味わいながら、作品に酔いしることができます。
概要
2019年で創業100年を迎えた、工作機械メーカーのヤマザキマザック株式会社。機械の機械、いわゆる「マザーマシン」をつくる職人さんです。こちらの私設美術館である、ヤマザキマザック美術館には、前会長である山崎照幸さんが収集された、フランス絵画やガラス、家具が収蔵されています。
当美術館は、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナール、シャルダンといったフランスのオールドマスターをはじめとするロココの時代から、新古典主義のアングル、ロマン主義を代表するドラクロワ、写実主義、印象派、そしてエコール・ド・パリ等、18世紀から20世紀に至るフランス美術300年の流れが一望できるコレクションで構成されています。さらには19世紀末にフランスを中心に花開いたアール・ヌーヴォーの代表的な作家であるガレをはじめとする、様々な作家達のガラス工芸品、家具も展示しています。
ヤマザキマザック美術館 公式ホームページ
住所・営業時間
愛知県名古屋市東区葵1-19-30
10:00~17:30(土日祝は17:00まで)
入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(祝日・休日の場合は開館、翌日休館)
アクセス
市営地下鉄東山線「新栄町」駅(1番出口)直結
屋根の下、濡れることなく辿り着けます。
入館料
一般 1000円
小・中・高校生 500円
うれしいおもてなし
ヤマザキマザック美術館には他の美術館にはあまりない、うれしいおもてなしが3つ。
音声ガイド
作品の背景や新たな視点を提案してくれ、美術展の案内役でもある音声ガイド。多くは有料での貸し出しですが、こちらでは無料で希望者に貸し出してださいます。
聞く・聞かないは自由ですが、私はいつも手にしてしまいます。
写真撮影
館内は原則撮影OKとなっています。
生の作品の息づかい
作家さんたちの息づかいまで感じられるように、絵画は額装からガラス板、アクリル板をはずしてあります。筆跡や細かな色彩を生で味わうなんて、とても貴重な体験です。
展示室
館内は想像よりもずっと広いです。最初に集中し過ぎると、最後は時間が足りなくなったり、疲れたりで流す・・・残念な結果になるので、気をつけてくださいね。
まずはエレベーターで5階の展示室へ上がります。
5階:フランス美術
5階は、ロココからエコール・ド・パリまでの絵画が時代順に部屋ごとに展示されています。
豪華なシャンデリアときらびやかな内装で彩られ、貴族の邸宅にでも招かれたかのよう・・・シンメトリーなデザインに深紅の壁紙、金の額縁が高貴な雰囲気を印象づけています。
部屋ごとに壁紙とソファがリンクしていて、素敵ですね。
4階:アールヌーヴォー工芸品
4階はアールヌーヴォー、アール・デコのガラス工芸作品や家具が展示されています。エミールガレやティファニー・・・昆虫たちのデザインガラスはかわいらしくもあり、美しさもあり、精巧なつくりにため息が出ます。
なかには1900年頃制作されたオルゴールも展示されています。
なんとこちら、現役で素敵な音色を奏でてくてます。時間ごとにスタッフの方が作品解説をし、オルゴールを動かしてくださいます。
まずはオルゴール鑑賞の時間をチェックして作品鑑賞を行い、100年以上も前の空気を楽しんでください。
併設施設
美術館横のオフィス棟1階には、工作機械ギャラリーも併設されています。
おまけ:ロココってなに?
ロココってよく聞くけど、本当はなんだろう?
ロココ建築、ロココ美術、ロココ様式・・・意味が分かりません。
ロココは美術史における時代の名前のひとつ。フランス語の「ロカイユ(岩・洞窟)」が語源であり、バロックのあとに続く様式です。18世紀、ルイ15世のフランス宮廷から始まったと言われています。ヨーロッパ各地の権力争いを行う王たちが、自ら王宮や館に取り入れ、豪華絢爛に飾り立てていた時代です。
18世紀には芸術の中心がイタリアからフランスに移行し、絵画はいっそう洗練されます。それまでの「男性的」で理知的なバロック様式から「女性的」で優雅で楽しいロココ様式が誕生したのです。
なんにせよ、お姫様気分を味わえる素敵な美術館でした。