神勝寺 禅と庭のミュージアムでインスタレーション

嫁です。この物体、あなたは一体何に見えますか。

彫刻家、名和晃平さんの「光庭(こうてい)が数々の芸術サイトや雑誌で取り上げられ、名前は知らずともこの作品を目にしたことがある人は多いでしょう。一度見ると忘れられない、インパクト抜群な芸術を求め、私もふらりとお邪魔してきました。

お寺なのかミュージアムなのか

今回伺ったのは広島県福山市にある新勝寺 禅と庭のミュージアムです。

「神勝寺 禅と庭のミュージアム」は、一碗の茶を喫し、墨跡と向き合い、命をつなぐための食を味わい、心身の垢を洗い流し、庭を散策し、といったさまざまな体験を通じて、禅とはなにかを感じるための場です。

神勝寺 禅と庭のミュージアム公式ホームページ

芸術に刺激を受けながら心の洗濯までできるなんて、なんてお得な場所でしょうか。いざいざ。

見た目は本当にお寺です。
ここにあのどらやきがあるとは到底信じられませんね。

住所

広島県福山市沼隈町大字上山南91

アクセス

アクセスの良い最寄り駅は新幹線も停まる「福山駅」ですが、公共交通機関での訪問はあまりおすすめはできません・・・私は車でお邪魔しましたが、施設の周りも自然があふれる緑多めな景色です。
福山駅からは車で30分程度です。駐車場は広めに確保してくださっており、無料です。

しかし、平日は福山駅から無料シャトルバスも運行しており、車の運転は難しい、という方には助かりますね。しかし、便数は少なめなので時刻表のリサーチは必須です。

拝観時間

9:00~17:00(最終受付16:30)

境内案内

こちら境内の案内図です。

クリックで拡大できます

松堂

総門をくぐり、歩を進めるとお寺ではなくなりました。

アルベロベッロのトゥルッリみたいな三角屋根が現れます。ここは寺務所の「松堂」です。禅のイメージに近いをメインとして構成されています。チケットやお土産を販売しています。

拝観料:1200円(大人)

なんとトイレ。「東司(とうす)」はお寺でのトイレの呼称だそうです。

手入れの行き届いた、どこを切り取っても絵になる風景です。不必要に何枚もシャッターを切ってしまいました。

秀路軒でお茶

境内はとても広いです。何と東京ドーム1.5個分。
お抹茶どころがあったのでほっとひといきつきましょう。

秀路軒は消失した表千家の茶席を復元したものです。この中には、茶祖である千利休を祀るお堂「利休堂」があります。

結構なお手前で。
人生で一度は言いたい一言、やっと言えました。

秀路軒:10:00~16:00
抹茶和菓子セット:800円

新勝寺うどん

今回私は訪れませんでしたが、新勝寺には「五観堂」というお食事処もあります。修行僧と同じ作法で名物うどんをいただける体験スポットです。

ロバを探せ

境内、千利休の茶室を再現した「一来亭」を過ぎ、無明院へと向かう道、何やら生き物の気配が・・・何とロバさんが飼育されています。名前は一休さん。

なぜここに彼がいるのかは分かりませんが散歩途中の癒しスポットでした。

無明院・荘厳堂

新勝寺の本堂がある無明院は境内の最も高いところに位置しています。ここからの景色は抜群!遠くの山景が見渡せます。紅葉の時期が楽しみですね。

こちらは無明院からの景色です。中根金作さんの作庭による枯山水庭園です。なんと中根さんは足立美術館やボストン美術館の庭園まで手掛けた有名な造園、作庭家です。

この施設を訪れた目的のひとつが白隠の作品に触れることでした。荘厳堂は白隠禅画墨蹟の常設展示館です。200点を超える作品が定期的に架け替えられ、日本初の白隠専門の展示館となっています。

白隠さんは禅の教えを広めるために多くの禅画を描かれました。館内の壁は墨一色で、日光も遮断されているので、画がぼうっと浮かび上がるようです。作品に集中して鑑賞することができました。

白隠といえば達磨のイメージでしたが、悟りや真理の象徴を意味する「円相」に深く感銘を受けました。心が洗われた・・・気がしました。

館内は撮影禁止だったので、写真はありませんが、あっちもこっちもそっちも白隠さん。なかなか不思議な体験でしたね。

無明院から鐘楼門へと続く長ーい階段です。私たちは境内を左回りで散策したので、階段を降りるコースでしたが、回り方は自由なので上ってくることもできますよ。

そうそう、ぜひ訪れる際はスニーカーをおすすめします。

見ざる、言わざる、・・・?

謎の物体あらわる

全ての施設を堪能し、寺務所まで帰ってくると、いよいよクライマックス!!橋を渡ると興味の塊でしかない謎のアートパヴィリオンが現れます。

洸庭(KOHTEI)

全長46m、実際に見るとその大きさに驚きます。

土曜日の昼間に訪れましたが、思ったより空いていました。入場時間が30分で区切られ、順番を待って中に入ります。

吸い込まれるー
ここが一番わくわくどきどきしました。

禅寺である神勝寺の境内に建つアートパビリオン「洸庭」。伝統的なこけら葺きを応用し、全体を木材で柔らかく包んだ舟型の建物が、石のランドスケープの上に浮かぶ。物質感のある石の海を抜け、ゆるやかなスロープを上がり、小さな入り口から舟のなかへ入ると、暗がりの奥には海原が広がり、静かに波立っている。波間には、かすかな光が反射している。

新勝寺 禅と庭のミュージアム 公式ホームページ

中の景色は実際に体験してみてのお楽しみですが、非日常のどこにもない空間です。周りの人間の空気を感じにくいので、私だけがこの世界にいる・・・そんな感覚を覚えました。外観とのギャップをお楽しみください。

船体の下まで近づけます。

遠くから見ると船が浮いているようですが、ちゃんと地中に固定されており、安心安心。スタッフの方のお話によると、新勝寺は造船にゆかりがあり、船をイメージして作られているそうです。

私にはどら焼きに見える・・・お腹空いてたのかな。

終わりに

神勝寺 禅と庭のミュージアム」は禅の世界とは縁のなかった人々への気軽な入り口として、そこに堂々と建っておりました。自然に触れて、穏やかな心を思い出す・・・素敵な場所でした。

他にも紹介できなかった浴室や座禅・写経体験などもあり、引き出しいっぱいです。また訪れたいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です